1月7日に食べる「七草粥」は、無病息災を願う日本の伝統的な風習です。
この日に七草粥を食べることで、1年の健康を祈り、お正月で疲れた胃腸を休める意味があります。
七草にはそれぞれ縁起の良い意味が込められており、古くから大切にされてきました。
この記事では、七草の種類とその意味、そして七草粥をお正月に食べる理由について詳しく解説します。
日本の伝統を理解し、1年の健康を願いながら七草粥を楽しんでみてください。
七草の種類と込められた意味
七草粥に使われる春の七草には、それぞれ特別な意味が込められています。
ここでは、それぞれの七草の特徴と意味を紹介します。
せり:競り勝つ力を象徴
せりは、湿地帯に生える多年草で、強い香りとシャキシャキとした歯ごたえが特徴です。
その名は、草が競り合うように生える様子から来ており、「競り勝つ」という意味が込められています。
せりを食べることで、勝負ごとや挑戦に勝つ力を願うとされています。
なずな:汚れをなでて取り除く
なずなは、道端や畑でよく見かける野草で、別名「ぺんぺん草」としても知られています。
こちらの名前の方が馴染みがある人が多いかもしれませんね。
なずなには「なでて汚れを払う」という意味が込められており、浄化の象徴です。
この草を食べることで、体の中から悪いものを取り除き、健康を保つと信じられてきました。
ごぎょう:仏の姿を表す縁起草
ごぎょうは、キク科の野草で、別名「母子草(ハハコグサ)」とも呼ばれます。
その名には「仏の姿を表す」という意味があり、特に縁起が良いとされています。
古くから咳止めや喉の痛みを和らげる効果があるとされ、健康を祈る草として親しまれてきました。
はこべら:繁栄をもたらす草
はこべらは、古くから「繁栄が広がる」という意味で縁起物とされています。
胃腸を整える効果があり、特に昔から腹痛の薬として用いられてきました。
七草粥に入れることで、繁栄と健康を願う意味が込められています。
ほとけのざ:仏の安座を意味する草
ほとけのざは、「仏が座っている姿」を意味し、縁起の良い草です。
七草粥に使われるほとけのざは、実際には「こおにたびらこ」というキク科の植物で、胃腸に良いとされています。
食欲を増進し、消化を助ける効果もあるとされています。
すずな:神を呼ぶ鈴
すずなとは、カブのことを指します。
その名には「神を呼ぶ鈴」という意味があり、神聖な食材とされています。
カブは消化を助け、胃腸の健康を保つ働きがあるため、七草粥に入れることで健康を願います。
すずしろ:清らかな白さを象徴
すずしろは、ダイコンのことを指し、「汚れのない純白」という意味が込められています。
ダイコンは消化を助ける効果があり、胃腸に優しい食材として知られています。
七草粥に入れることで、体を浄化し清らかさを願う意味があります。
縁起物の七草をお正月に食べる理由
七草粥をお正月に食べる理由は、健康を願う日本の風習に由来します。
この風習には、無病息災を祈るだけでなく、冬の健康を支えるための栄養補給の意味も込められています。
無病息災を祈願するため
七草粥は、無病息災を祈るために食べられます。
お正月の節目に七草を食べることで、その年1年を健やかに過ごせるよう願いが込められています。
七草には、生命力に満ちた若菜の力を取り入れることで、邪気を払い健康を守るという意味があります。
栄養補給と冬の健康を支えるため
七草粥は、冬に不足しがちなビタミンやミネラルを補うための食事でもあります。
昔は冬に新鮮な野菜が手に入りにくかったため、栄養価の高い七草を食べることが特に重要視されていました。
現在でも、七草は栄養豊富な食材です。
お正月の胃腸を休めるため
お正月には豪華な食事やお酒が続き、胃腸が疲れやすくなります。
七草粥は、消化に良いお粥をベースにしており、正月料理で弱った胃腸を休める役割も果たします。
シンプルな味付けと栄養たっぷりの七草で体をリセットし、健康的な新年のスタートを切りましょう。
まとめ
七草粥に使われる7種類の若菜には、それぞれに縁起の良い意味が込められています。
1月7日に食べることで無病息災や健康長寿を願い、冬の栄養不足を補うことができます。
また、正月のご馳走で疲れた胃腸を休めるためにも、七草粥は理想的な料理です。
日本の伝統を大切にしながら、七草粥を楽しんで新しい1年の健康を祈りましょう。