「春の七草」は、日本の伝統行事の一つ「七草粥」として1月7日に親しまれています。
七草の種類や見た目の違いを理解することで、七草粥の準備がより楽しくなるかもしれません。
しかし、七草は見分けにくい草も多いため、名前と特徴をしっかり把握しておくと安心です。
今回は、七草それぞれの特徴や正式名称、見分け方について詳しく紹介します。
七草を覚えるコツも合わせてご紹介しますので、七草を準備する際の参考にしてください。
七草の見分け方は?特徴や正式名称
七草はそれぞれに特徴があり、由来や名前に意味が込められています。
以下で一つひとつの見分け方と正式名称について詳しく解説します。
セリ:湿地で育つ香り高い野草
- 正式名称:セリ
- 漢字表記:芹
セリは水辺や湿地でよく見かける草で、独特な香りが特徴です。
葉の形は小さなギザギザがあり、競り合うように群生する姿から「セリ」という名前が付けられました。
茎が細く、葉は三つ葉に似た丸みがあるのがポイントです。
食材としても親しまれており、サラダやおひたしに使われることも多い野草です。
ナズナ:ハート形の実がかわいい草
- 正式名称:ナズナ
- 漢字表記:薺
ナズナは、アブラナ科の草で「ペンペングサ」の別名でも知られています。
特徴的なのは、ハート型の実が連なっていることです。
放射状に広がる葉の形が大根に似ており、子供たちが「ペンペン草」として遊んだ記憶がある方も多いのではないでしょうか。
ゴギョウ:白い産毛が特徴的
- 正式名称:ハハコグサ
- 漢字表記:御形
ゴギョウは、葉や茎が白い産毛に覆われており、少し肉厚なのが特徴です。
正式名称は「ハハコグサ」で、春から初夏にかけて小さな黄色い花を咲かせます。
白っぽく見えるこの草は、他の七草と並べると簡単に見分けられます。
ハコベラ:丸みを帯びた小さな葉
- 正式名称:ミドリハコベ
- 漢字表記:繁縷
ハコベラは「ハコベ」とも呼ばれ、道端などでよく見かけるナデシコ科の草です。
葉は小さくて丸みを帯びており、柔らかい触り心地が特徴です。
根はあまり付いていないことが多く、七草セットの中でも葉のボリュームが比較的大きいです。
ホトケノザ:タンポポに似ている
- 正式名称:コオニタビラコ
- 漢字表記:仏の座
ホトケノザは、キク科の「コオニタビラコ」として知られる野草で、葉がタンポポに似ていることが特徴です。
茎が短く、根に近いところで葉が放射状に広がり、地面に密着して生える様子が仏様の座る台座に見えることから「仏の座」という名前がつけられました。
スズナ:小さな丸いカブ
- 正式名称:カブ
- 漢字表記:鈴菜、菘
スズナはカブのことで、丸くて白い根が特徴です。
「鈴菜(すずな)」と書き、その名の通り鈴のような形をしています。
スズナの葉は少し厚みがあり、触ると柔らかく手に馴染む感触が特徴です。
スズシロ:白く長い大根
- 正式名称:ダイコン
- 漢字表記:蘿蔔
スズシロは、大根を指す名前です。
「清白(すずしろ)」と書き、白く清らかな見た目が由来となっています。
細長く伸びた形は、他の七草と比べてもひと目で見分けがつきやすい特徴です。
七草を覚えるコツ
春の七草を覚えるには、いくつかの簡単なコツがあります。
まず、七草を「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」という順番で唱えることで、リズムで記憶する方法が効果的です。
さらに、各草の見た目や特徴をイメージすると覚えやすいかもしれません。
たとえば、すずな(カブ)は丸い形、すずしろ(ダイコン)は長い形、なずなはハート形の実、ゴギョウは白い産毛といった特徴的な部分を押さえて、頭の中でイメージを具体化するのもおすすめです。
また、語呂合わせも一つの方法です。
覚えやすい語呂合わせについては以下の記事で紹介しています。
まとめ
七草粥に使う「春の七草」は、それぞれが独自の特徴を持っています。
セリやナズナといった見分けやすいものから、ホトケノザなど少し難しいものまでありますが、見た目や葉の形状に注目することで違いを理解しやすくなります。
特徴を知っておくと、七草粥の準備が楽しくなり、伝統行事に親しみが持てるでしょう。
見分け方や覚え方を活用して、七草粥を楽しんでみてください。