「七草」と聞くと、ほとんどの人が「七草粥」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、鹿児島県では「七草祝い」という独自の伝統行事があります。
薩摩藩時代から続くこの祝いは、地域の人々にとって七五三よりも重要とされていることも少なくありません。
この記事では、鹿児島独自の七草祝いの歴史やその風習、七五三との違いについて詳しく紹介します。
七草祝いとは?鹿児島独自の行事
七草祝いは鹿児島県に根付く独自の行事で、数え年7歳の子どもたちが無病息災を祈願するために行われます。
1月7日の七草粥を食べる日に合わせて行われるこの祝いは、古くから続く伝統です。
七草祝いの由来と歴史
七草祝いの起源は、江戸時代にまでさかのぼります。
薩摩藩時代から続くこの行事は、子どもの健康と成長を祈るためのものでした。
七草粥を食べる行事として知られる1月7日ですが、鹿児島ではこの日に7歳の子どもを祝い、無事に成長したことを感謝し、さらに健やかな成長を祈願します。
現在でも鹿児島ではこの伝統行事が大切にされ、子どもたちが晴れ着を着る姿が見られます。
七草祝いの風習
七草祝いでは、まず神社での参拝が行われます。
子どもたちは晴れ着を着て、無病息災を願う祈願を受けます。
この儀式は七五三と似ていますが、七草祝いならではの特徴として神社での祈願後に「7軒の家を回る」という風習があります。
子どもたちは、親戚や近所の家を7軒訪問し、七草粥を重箱に入れてもらいます。
しかし、近年ではご近所付き合いが薄れる中で、親族内での会食に変わってきている場合もあるようです。
七草祝いと七五三との違い
七草祝いと七五三はいずれも子どもの成長を祝う行事ですが、対象年齢やお祝いのスタイルには違いがあります。
七草祝いの対象年齢と時期
七草祝いは、数え年で7歳を迎えた子どもが対象です。
1月7日に行われるため、七五三が行われる11月とは異なるタイミングで祝われます。
数え年とは、誕生した年を1歳とし、新年を迎えるたびに1歳を加える年齢の数え方です。
このため、満6歳の子どもが対象となることが一般的です。
七五三とのお祝い方法の違い
七草祝いと七五三の大きな違いは、祝い方にあります。
七五三では子どもたちは神社に参拝し、家族とともに写真を撮ったり、食事を楽しんだりするのが一般的です。
一方、七草祝いは、先ほど紹介した通り、神社での祈願後に7軒の家を訪ねて七草粥をもらうという独自の風習があります。
この風習は、地域社会とのつながりを深める重要な意味があり、七五三よりも地域密着型の行事と言えるでしょう。
まとめ
鹿児島の七草祝いは、子どもの健やかな成長を願う地域独自の伝統行事です。
1月7日に行われるこの祝いは、数え年7歳の子どもたちが神社で祈願を受け、7軒の家を訪問して七草粥をもらうという風習が特徴です。
七五三との違いも明確で、地域社会とのつながりが深い行事として、鹿児島ならではの文化が現代も続いています。
地域の伝統を大切にしつつ、現代のライフスタイルに合わせた形で続けられる七草祝いは、これからも鹿児島で大切にされていくことでしょう。